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​2021年度春入学生の体験談

~ Tさんの体験談~

【志願理由書】
志望理由書は大学院受験の際に最も重要な選考基準だと考えます。他大学院では、詳細な研究計画書を課すところもありますが、国際協力専攻ではA4サイズ1枚ほどに収めなければならないので、ある意味大変です。内容として、”国際協力”を志す理由を入れ込むのはもちろんのことですが、何故東大のこの専攻でないといけないのか、何故その研究室でないといけないのか、という点をしっかり言語化しましょう。
そのためには、そもそも”国際協力学”とは何か、”新領域”がなぜ生まれたのか、志望する研究室はどういった研究をしているのか、などを調べる必要があると思います。佐藤仁研究室に関して言えば、先生が非常に面白い本を出版しているので、読みましょう。「野蛮から生存の開発論」「反転する環境国家」の二冊を熟読すれば、先生の研究スタンスや、研究分野が分かってくると思います。
【英語試験】
私たちの代はコロナの影響で特殊な形式になってしまったのですが、基礎的な英語力があれば問題は無いです。 
【筆記試験】
こちらもコロナの影響で特殊な形式になってしまったのですが、基本的なことは変わらず、国際協力の基礎を知っているかどうか聞かれるだけです。私は学部時代、”開発学”の授業は履修しておりませんでしたが、受験勉強の三ヶ月の期間で詰め込みました。試験勉強で一番力を入れたのは、専攻が出版している『国際協力学の創る世界』(朝倉書店)『国際協力学』(高木保興著、東京大学出版会)の二冊を徹底的に読み、理解し、コンセプトやキーワードを覚えることです。また、覚えるだけではなく、自分の言葉でそのキーワード等を説明できるようにしました。
専攻のサイトでは過去の入試問題をダウンロードすることが出来るので、そちらを参照し、自分の代の入試が何を問うだろうかということを意識しながら勉強しましょう。
【面接】
面接では主に志望理由書を元に質問がされます。志望理由書を入念に準備をし、学部の先生や友達に確認してもらい、気になる点などを指摘してもらいましょう。予想もしてなかったことに関して質問されることもありますが、分からなかったり、まだ不確定だった場合は素直にその旨を伝えることも大切だと私は考えます。
【その他】
院試というのは、これまで学校で受けてきた試験と異なります、どちらかというと就活に近いのかもしれません。”研究者”という職業につくための一番最初のステップが修士課程です。自分自身、そして学問に向き合い出した答えに従えば、結果は自ずとついてくるはずです。頑張ってください。

 

~Sさんの体験談~

【志願理由書】
①学部時代にやってきたこと、②志望動機、③大学院でやりたいこと、の流れで書きました。
①では卒業論文の内容を「研究の動機」⇒「研究から得られた結果」の順に示し、②で「そもそもなぜ国際協力に興味があるのか(自分のルーツを過去から遡る)」「未来のキャリアにおいて国際協力学がどのような役割を果たすと考えているのか(未来からの逆算)」を書きました。③では、専攻のパンフレットを参照し、自らの修士論文研究に必要だと思う項目を学びたい旨を伝えました。
③については、事前に志望する研究室の先生とお話をされ、自分の研究を先生がどうサポートして下さるのかを確認してから書くと、スムーズかと思います。

【英語試験】
コロナでTOEFL-ITPが課されなかったため、ひたすら英作文の練習をしていました。英検1級の英作文対策テキストを購入し、繰り返し繰り返し英作文を作成しては自分で推敲しました。 

【筆記試験】
『国際協力学の創る世界』(朝倉書店)、『国際協力学』(高木保興著、東京大学出版会)、『環境学の技法』(石弘之)の3冊は熟読しました。特に『国際協力学の創る世界』は国際協力学専攻の教授が自身の研究を紹介しているため、研究室選びの参考にもなりました。
また、入試要項に載っている「キーワード」の全てを書籍を中心に調べてまとめ、自作の問題を解きました。他大学の内容が近い入試問題を解くなどもしていました。

【面接】
志願理由書の内容を友達に読んでもらい、想定される質問を書き出してもらって1人練習しました。オンライン試験だったので、画面に向かってしゃべる練習を徹底しました。 

【その他】
大学入試と異なり開示されている情報が少ない大学院入試では、不安になることもたくさんあると思います。どうか、積極的に「教授とのアポイントをとる」ことをしてみてください。どの先生方も、「大学院で学びたい」との意欲がある学生とのコミュニケーションをしっかり取ってくださいます。研究のプロである先生方とお話された方が、志願理由書の執筆もスムーズになりますし、モチベーションアップにもつながります。皆さんと縁あって国際協力学専攻でお会いできるのを楽しみにしております。

~Kさんの体験談~

【志願理由書】
私は、学部での研究を通じて生じた疑問や課題について、どのようにして大学院でその解決に向けて歩んでいくのかを「道筋をしっかり立てて論ずる」ことに焦点を当てて作成しました。さらに、研究をはじめとする学業に加えて、学生生活とくに部活動にも力点を置き、そこで何を学んだのか、そしてどう活かしていくことができるのかという観点から、志望理由書を書き上げた次第です。

【英語試験】
私たちの代では、TOEFL-ITPが課されませんでした。そこで、英作文に力点をおいて対策を行いました。その際、私は英語の基本である文法から、長文読解、論文講読の際のポイントなどをまとめて学習できるテキストとして、『大学院入試の英文法』(湯川彰浩著)を数回繰り返し、英作文の練習を行いました。

【筆記試験】
『国際協力学の創る世界』(朝倉書店)、『国際協力学』(高木保興著、東京大学出版会)、また佐藤先生の著書でもあります『反転する環境国家:「持続可能性」の罠をこえて』(佐藤仁著、名古屋大学出版会)の3冊を繰り返し読み、国際協力の基礎となる知識や考え方を吸収しました。
また、入試要項に記載されている「キーワード」について、関連する書籍や記事などを調べ、要点や背景などを押さえるなどしました。情報や知識を自身でまとめる際には、その情報を体系的につなげていくことに力点をおきました。

【面接】
学部の先生や友人数名に頼み、志望理由書に目を通してもらい、質問を何個かぶつけて貰うといった形で練習を行いました。また、英語での質疑応答にも対応できるように、留学経験のある英語が得意な友人に、英語で面接練習をしてもらいました。私自身、留学経験がなく、実のところ英会話に自信がありませんでしたので、友人に頼み込み10回近く練習していただきました。

【その他】
大学院では、学部の時以上に、「より鮮明な目標」や「考え」が必要となることを痛感しています。何をしたいのか、なぜそれをしたいのか、などなど自身の問いについてより真摯に向き合っていくことが大切なんだと思います。

~Iさんの体験談~

【志願理由書】
これまで学部時代に自分が学んできたことや関心を抱いた学問分野を明確に示すことに加えて、これまでの社会経験や仕事の中で自分が日々意識するようにしていたこと、苦労した場面とそれに対して自分がどう対処したかなど、自分の“人となり”を理解してもらえることを意識して学習・社会経験を記述しました。また、志望理由の部分では、なぜこの大学のこの専攻でなくてはいけないのか、また入学後は具体的にどのような研究テーマでやっていきたいと思っているかを、対象地域や問題意識も含めて丁寧に説明することを心掛けました。

【英語試験】
オンライン面接に変更され、指定時間内で英文を読み、要約した内容を自分の言葉であらためて説明する、という口頭試験でした。そのため、語彙が本番で豊富に出てくるよう、直前1か月間は毎日NHK World Radioの無料アプリを使って移動時間でニュースを聞いて用語や表現を整理したり、自分でシャドーイングし録音したものを聞きなおしながら、聞き取りやすいスピードや発音ができているかを確認し、適宜改善するなど心掛けました。また、自分の意見や考えを英語で伝えられるよう、使えそうな英語表現などをリストアップして、本番で使えるように努めました。

【筆記試験】
直前1か月間は、公開されている過去問をベースに、実際の試験時間内に収まるように書いてみるという練習を繰り返しました。その際にも、小論文の型(序論-本論-結論)を意識し、読み手にとって読みやすいパラグラフ作りに努めました。また、どんな分野の問題が出されてもなるべく回答できるよう、前提として知っておくべき知識や用語を整理するために、『国際協力学』(東京大学出版会)を活用しました。具体的には、国際公共財、持続可能な開発、グローバリゼーション、人間の安全保障、構造調整政策、グッドガバナンス、参加型開発などの基礎用語を説明できるようにノートにまとめたり、センの「人間の安全保障」、パットナムの「ソーシャルキャピタル」、ウェーバーの「官僚制」、マルサスの「人口論」、ソローの「経済成長モデル」、ハーディンの「コモンズの悲劇論」など、多分野における著名な理論を整理して、自分の解答に使えるようノートにまとめました。

【面接】
志望理由書で述べた内容はもちろんのこと、前日の筆記試験(小論文)で出された問題に対する自分の解答について、より具体的に補足説明できるよう、筆記試験対策で用いた用語・理論整理ノートに何度も目を通して再確認してから臨みました。あとは、自分の学ぶ意欲は誰にも劣らないのだという熱意が面接官に伝わるような回答を心掛けました。

【その他】
入試説明会(オンライン)の際に、ゼミ個別相談会(個別セッション)で佐藤先生と研究室の在学生と交流する機会がありました。その後、ゼミ見学にも快く招いてくださり、参加させてもらい、進学するなら絶対にこの研究室に入室したいと確信しました。研究室の雰囲気が事前にわかっていると、入学後の院生活のイメージもわきやすく、入試対策にも全力で取り組めると思います。遠慮せずに、ゼミ見学をしたい旨を相談されてみるといいと思います。今年もコロナ禍で孤独な環境の中での入試対策とあって大変かと思いますが、ピンチをチャンスに変えて、ぜひ院入試にチャレンジしてみてください。入学後には、研究科内でも学生が孤独や不安を感じないよう様々な取り組みがなされています。頑張ってください!

 

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