*画像はイメージです。
こんにちは。
2024年3月に佐藤研を卒業した井川と申します。私は、子育てをしながら3年間をかけて修士号を取得しました。
佐藤研ゼミでは、開発の歴史を学ぶ上で押さえておくべき古典を輪読しながら先人がどのように開発を捉えていたかについて学んだり、面白い研究とは何かについて語り合ったり、互いの研究発表を通じてよりよい研究にするためにはどうすればよいかについて意見交換したりと、大変有益な時間を過ごさせていただきました。
特に、研究の問いを研ぎ澄ませることや議論を深化させることの重要性を学べたことは、佐藤研ゼミ生ならではの経験だったのではないかと思います。佐藤先生がいつも投げかけてくださる探求心溢れるコメントや、博士生・修士生を問わず様々な視点を持つゼミ生からの鋭い視点もまた、修士論文の執筆に大いに生かすことができました。佐藤研ゼミの時間は、私にとって3年間の大学院生活で最も楽しく、有意義に過ごさせていただいた時間だったと思います。
未就学児を含む子育てと学業の両立は決して簡単なものではなく、3年間を通して本当にいろいろなことがありました。子どもの発熱で楽しみにしていた対面授業に出席できなかったり、子どもを寝かしつけた後に夜な夜なパソコンを開いてレポートに取り組み始めたと思ったら激しい夜泣きが始まり、作業を中断せざるをえなかったり(一晩で、二度も三度も繰り返したり…)。また別の日には、息子を抱っこひもで寝かしつけながら他の学生とオンラインで発表準備をしたことや、公園で遊ぶ子どもたちを横目で見ながら、私はベンチで課題文献に目を通すということもありました。
大学院生とはいえ、家に帰れば家事と育児の大量のタスクが待っているので、「母」という顔にならなければ日々が回っていきません。そんな中、大学のキャンパスで過ごす時間や、佐藤先生や他のゼミ生との交流の時間だけは、唯一「私」に戻れるような、そんなキラキラした時間でした。子育てと学業の両輪を走らせることは苦難の連続でしたが、私にとっては、どちらか一方の片輪が欠けてしまっては、決して走りきることはできなかったとも思います。
最終年度となったM3の秋、発表準備や修士論文に取り組む中でなかなか思うように時間が取れず、いよいよ挫折しそうになっていた頃、私は一枚の付箋に、自分に向けたメッセージを書いています。それは「やれるところまでやってみる」ということ。今でも剥がさずに貼ってあります。結果はどうであれ、今しか過ごすことのできないこの唯一無二の時間を、まずは思う存分楽しんで味わってみる。それによって自分自身が満足のいく時間を過ごせたのなら、これに勝るものはないと思うのです。
佐藤研ゼミをこれから希望される皆さんの大学院生活が、味わい深く、実り多きものになるよう、心よりご健勝をお祈りしております。
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