皆さん、こんにちは。
今年4月に佐藤仁研究室に入学した修士課程1年のMayaです。
さて、先日、Sタームと呼ばれる前半期が終わりました。 早くも修士課程2年間の4分の1が経ってしまったわけですが、振り返ってみると、とても実りの多い、楽しいタームであったと感じます。 そこで、ここでは、入学後の半期を通じて、私が大学院へ来て感じた点についてお話ししたいと思います。個人的な主観に基づくものであることを申し添えつつ、DOISでの雰囲気や学生生活を感じて頂けたらと思います。
国際協力学専攻がある柏キャンパス環境棟前の歩道
まず、はじめに、私が大学院へ来てもっとも圧倒された点として挙げたいのは、各学生のもつ主体性と向上心の高さです。 授業中の不明な点は決してそのままにせず、その場で一歩踏み込んで質問し、自らの疑問を解消し理解を深めようという意識が、個々の学生の中にあります。 今期はオンライン授業の多い学期でしたが、学生であっても授業中に有益と思われる情報はチャット等を使って積極的に発信・共有しあったり、授業中に「この点についてもう少し深く議論したいから、授業後、別に集まれる人はいないか」、そんな呼びかけも頻繁になされたりしました。 本学の学生同士には「共に高め合う」という雰囲気が大いにある。これは、学部時代と比べてもっとも異なる点でした。 所属ゼミにおいても、投げかけられる課題や疑問、視点はどれも深く考えさせられるものばかりで、毎回、自分の不足している部分や未熟さに気づかされると同時に、コマを重ねるごとにより多角的な視点を身につけられたとも思います。
佐藤研ゼミがある日は本郷キャンパスへ行きます
次に、大学院学生の多様性を挙げたいと思います。かくいう私も子どもを持つ母であり、周りにも同じように子育てや介護と学業を掛け持つ学生がたくさんいます。さらに、海外や地方に滞在しながらオンライン授業に参加している学生や留学生だけでなく、仕事と学生という二足の草鞋を履く社会人学生ももちろんいます。ある授業では、講義中に先生のお宅のお子さんの声と姿が画面に入り込むといった微笑ましい場面も見られました。 多様なバックグラウンドを持つ学生や教員が集う場ですから、「互いに違う」という前提からコミュニケーションが始まっており、相互に尊重しあう空気感が強く感じられます。こうした人々と共に切磋琢磨しつつ学問を追求出来ることは、大学院へ進む醍醐味でもあります。 また、教職員の方々からも、学生の立場や意見を重んじ、決して否定などせず、私たち学生のさらなる学問的な飛躍を見据えつつ接してくださっていると感じます。 IT’S OK NOT TO BE OK. これはつい先日、UN WOMENを始めとする国際機関から発せられた言葉です。 たとえ周囲を牽引する立場にある人やトップアスリートであっても、浮き沈みやスランプだってある。人間は誰しも不完全であり、それが当然なのだ、という前提に立っており、大学側や教官からも学生に対する同様の眼差しを感じます。 コロナ禍の苦境に置かれた内部生への具体的な配慮もなされており、ストレスマネジメント論の授業が正規に開講されるなど、メンタル面でも支えてもらえる機会が多くありました。その他、学生相談室やピアサポーター制度によって気軽な語り合いの場が提供されたり、コロナ後にやりたいことをリーフ型の色紙に書いて集め、1つのツリーにして展示したりする柏キャンパスならではの取り組みもありました。
授業へ向かう途中に見つけた可愛らしいカナヘビ
こうしたことを踏まえつつ振り返って見ると、東京大学大学院に入学して私たち学生にまず求められたのは、まさに「完璧であること」ではなく、「完璧ではないということに気づくこと」であったように思います。 そして、私自身も、それに気づかされながら、学問における疑問や自らの探究心、そして自分という存在のあり方に真摯に向き合う、そんな時間を過ごせたように思います。 あらためて、このあと残された修士課程での時間を無駄にせず、多くの出会いを大切にしながら、より高みを目指せるような有意義な時間にしていきたいと思います。
by Maya
柏キャンパスの図書館
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